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エチオピアでのビットコイン採掘はリスクなのか?チャンスなのか? (その2)
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エチオピアでのビットコイン採掘はリスクなのか?チャンスなのか? (その2)

写真:暗い夜中に教会の前に座りこむ人々(エチオピア首都アジスアベバ)

(2) エチオピアの電力供給~巨大ダムにより大幅増加

私たちビットコイン採掘人は、つねに「電気が余っているところ」に目をつけます。この余っている状況がどれくらい続くのかは、電力の供給能力と、電力の消費量を推定して検討します。

エチオピアの電力供給は、グランド・エチオピア・ルネサンス・ダム(GERD)の稼働開始により飛躍的に増加しました。GERDの最大発電出力は6GW(ギガワット、1メガワットの1,000倍)とされています。

このGERDの最大発電出力がどれくらい大きいかというと、日本最大の貯水式ダムの奥只見ダムの最大出力560MWの10.7倍になります。奥只見ダム11個分、というのはGERDがいかに大きいかが分かります。

Okutadami Dam

日本最大の貯水式ダム発電所の奥只見ダム(最大出力560MW)

完成後にエチオピアの電力供給能力は10GWに達すると言われています。

アフリカ第2の発電容量を誇るグランド・エチオピア・ルネサンス・ダム(GERD)

Aerial View of Grand Ethiopian Renaissance Dam (GERD)
Grand Ethiopian Renaissance Dam (GERD) aerial view

 

(3) エチオピアの電力消費~人口増加、一人当たり使用量の増加

現在、エチオピアの人口は約1.3億人です。一人当たりの年間電力消費量は、データによれば約70kWhから150kWhとされています。仮に中間値の100kWhを用いると、全国の年間総電力量は以下のように推定されます。

100kWh×1.3億人=13TWh100\text{kWh} \times 1.3\text{億人} = 13\text{TWh}

これを年間の時間(8,760時間)で割ることで、推定される平均電力需要(平均電力消費量)は以下のように計算できます。

13TWh÷8,760時間1.5GW13\text{TWh} \div 8,760\text{時間} \approx 1.5\text{GW}

この計算から、エチオピア全体の年間平均電力需要はおよそ1.5GW程度であると推測されます。

日本の一人当たり年間電力消費量は約7,800kWhであり、アフリカ全体の平均消費量である516kWhと比較しても大きな差があります。その中でもエチオピアの一人当たり年間電力消費量は約150kWhときわめて少ないことが分かります。この150kWhという消費量は、電球4個(約40W)を1日あたり3時間使用する程度に相当します。light bulbs

GERDの完成により、政府は、現在人口の半分くらいにしか電力がいきわたっていないのを、人口の100%にすることを目指しています。

このように考えると、GERDの完成により、電力に余裕はあるものの、エチオピアの人々はまだまだ電力を必要としている段階なので、今後消費量も急増することが予想されます。

(4) 更なるダム建設~Koysha水力発電所

現在、GERD以外にもイタリアの企業によるコイシャ(Koysha)水力発電所の建設が進められており、完成すればさらに2GWの発電容量が追加されます。政府は2030年までに電力供給を17GWまで増やすことを目標としているようです。

米国政府機関の調査ではエチオピアの水力発電のポテンシャルは45GWあるそうなので、資金があれば、供給能力を増やすことはできそうです。ちなみに、6GWの発電能力を誇るGERDは、他国の資金に頼ることなく、エチオピア国内で資金調達をして、建設をされたとされています。

建設中のKoysha水力発電所
Koysha Dam Aerial View

その3につづく)

 

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