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エチオピアでのビットコイン採掘はリスクなのか?チャンスなのか? (その3)
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エチオピアでのビットコイン採掘はリスクなのか?チャンスなのか? (その3)

写真:エチオピア首都アジスアベバのボレ国際空港

(5) 今、エチオピアでビットコイン採掘にどれくらい電気が使われているのか?

現地ヒアリングによると、エチオピアには約30社のビットコイン採掘企業が進出しており、2023年には約5,500万ドルの電力販売収入がありました。1kWhあたりの電気代を2セントと仮定すると、2023年時点での電力消費量を逆算すると

5,500万ドル÷(0.02ドル/kWh×8,760時間)313MW5,500万\text{ドル} \div (0.02\text{ドル/kWh} \times 8,760\text{時間}) \approx 313\text{MW}

と推定できます。

さらに、別の方法で推定してみましょう。

現在の運用を開始している採掘場数は10数か所くらいあるもよう(現地ヒアリング)です。今回見学した施設も1か所目は約40MWの消費電力、2か所目は15MWでした。1か所あたりの最大電力消費量は50MW程度と仮定すると、全体では約500MWと推定されます。

アジスアベバのビットコイン採掘場までの道中で見た風景
Addis Ababa Suburb

 

去年、エチオピアのビットコイン採掘に使われた電力が、313MW、今現在が500MWと推定されるとすれば、1年で200MW増加したことになります。今後毎年200MWの増加するとすれば、多くの採掘場が契約しているという電力会社との契約期限の2028年までに最終的には1.3GW程度の電力消費に達する可能性があります。

前回の記事(その2)で書いたように、エチオピア・グランド・ルネサンス・ダム(GERD)の発電容量は6GWですので、エチオピアのビットコイン採掘以外の通常の電力の需要が倍になったとしてもまだまだ余裕があると思います。

ビットコイン採掘場の電力消費はどんどん増加していますので、今後のその増加スピードは、注意深く監視する必要があります。

(次に続く)

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