ビットコインと他の仮想通貨(「アルトコイン」と言われることが多いです。)は何が違うのでしょうか?答えは「分散性」や「中央集権性」、採用している取引の認証方法、そして「市場での支配性」など、多くの点で異なります。
まず「分散性」についてです。ビットコインは多数のコンピューターによって取引記録が保存される「完全な分散型ネットワーク」を持つ最初の仮想通貨であり、ビットコインのネットワークを管理する中央の組織は存在しません。
その一方で、他の多くの仮想通貨はビットコインほど分散化されていないと言われています。これは、一部の開発者や組織がネットワークの運用を中心的にコントロールしているからです。「非中央集権」を掲げる仮想通貨もありますが、実はそれらも一部の開発者や組織が大きな影響力を持っていることが多く、ビットコインのような本当の分散性を持つことは難しいと言えます。
次に取引の認証方法についてです。ビットコインは「Proof of Work(PoW)」(日本語では「作業の証明」)と呼ばれる方式を採用しており、マイナーが膨大な計算量を要する問題を解くことで新たなブロックを生成します。これに対して、多くの新しい仮想通貨は「Proof of Stake(PoS)」(日本語では「持ち分の証明」)という方式を採用しています。これは、仮想通貨の保有量や保有期間に基づいて新しいブロックを生成する権利を得る方式です。しかし、PoSは富の集中を助長する可能性があり、その意味でPoWがより公平なシステムであるとも言えます。(詳しくは「PoW、PoSとは?」を見てください。)
最後に「市場での支配性(「ドミナンス」と言います。)」についてです。ビットコインは時価総額が一番大きい仮想通貨であり、その市場価値は仮想通貨全体の半分近くを占めていると言われます(2023年7月時点)。これはビットコインが世界中の人々に認知され、信頼されている証拠であり、他のどの仮想通貨もビットコインのドミナンスに追いつくことは容易ではありません。
ビットコインのドミナンスが高いという事実自体が、さらに多くの人々がビットコインを選ぶ理由となります。なぜなら、一般的に、流通量が多く、広く受け入れられている通貨ほどその通貨を保有することは安心感をもたらし、流動性も高くなります。これは米ドル、ユーロや日本円でも同じで、広く流通している通貨は安定性と信頼性が高いと見なされます。
このように、ビットコインが広く流通し、多くの人々に受け入れられていることが、さらに多くの人々がビットコインを使うインセンティブを生み出し、その結果としてビットコインのドミナンスが高まるという流れが形成されているとも言えます。