はじめに:ビットコインの保有と採掘、その違いとは?
ビットコインを買ってただ「保有(ホールド)する」のが良いのか、それとも「採掘」して増やしていくほうが良いのかでしょうか?もちろん、ビットコインそのものを買って保有するだけよりも、ビットコイン採掘の方が収益性が高いと思っているからこそ2019年より現在まで取り組んでいます。正確には、長期的には、同じコストをかけるならば、より多くのビットコインが得られるのが採掘、と考えています。
ただし、ビットコイン保有と採掘は、単純な「収益性」の比較になりがちです。なぜ、リスクをとってシベリア等の場所に行き、ビットコインを採掘するのか、等の考え方・思想などまで含めて比較されることはあまりありません。
ビットコインの保有者と採掘者、彼らが見ている未来はどう違うのでしょうか?この記事では、どちらの未来を選ぶべきかを、収益面とともにその考え方まで掘り下げて解説します。
前提条件とシナリオ
今回、次の条件で比較していきます。
(A) 保有(ホールド)シナリオ: 1BTCを6万ドルで購入し、そのまま保有
(B) 採掘シナリオ: 最新のAntminer S21 Proを10台購入し、ビットコインの採掘を開始
グラフで見る保有と採掘の違い
ここでは、保有と採掘の収益とコストの動きがわかりやすく表示されたグラフをもとに解説していきます。このグラフは2024年11月初旬の実際のAntminer S21 Proの性能を基に、一定の仮定(採掘困難度の一定の上昇など)を置いて作成しています。
(A) ビットコインを保有(ホールド)する(買ってそのまま保有する)シナリオ
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青色の線: ビットコイン保有時の「価値」を示しています。ビットコイン価格の変動によって、この価値は上下しますが、保有している数量は変わらないため、価格に応じてこの線は平行に上下に移動します。(下図参照:ビットコイン価格が30万ドルになった場合。)
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オレンジ色の線: ビットコイン購入時の「コスト」を示します。保有シナリオでは、最初の購入価格である6万ドルから変わらないので、この線は水平のままです。
- 保有による利益: 青色の線とオレンジ色の線の間が、ビットコイン保有による利益です。ビットコインの価格が上がると青色の線が上に移動し、利益が増えます。しかしこの利益は、いわばビットコイン市場の動きに「乗っかる」形で得られるものであり、価格が上がることが利益の鍵となります。
(B) ビットコインを採掘するシナリオ
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緑色の線: 採掘で獲得して、すぐに売却せずに貯めてきたビットコインの「価値」です。貯めるビットコインが増えたり、ビットコインの価格が上がると、この価値も増します。採掘難易度の上昇に伴い、採掘量は時間と共に減少する傾向がありますが、貯め続ければ徐々にビットコインが増え、将来的な利益の基礎となります。
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赤色の線: 採掘コストを示しています。最初のマシン代金と、毎日の電気代などの合計です。運用を続ける限り、コストは右肩上がりで増加していきます。
- 採掘による利益: 緑色の線と赤色の線の間が、採掘での利益です。緑色の線が赤色の線を上回ると黒字、逆に下回ると赤字になります。採掘者にとっては「自らビットコインを生み出す」という能動的な収益であり、これは一種のビットコインエコシステムへの「投資」とも言えます。
ビットコインの保有(ホールド)vs 採掘
ビットコインを単に保有する場合、価格が上昇すれば、その差額が利益になります。例えば、6万ドルで1BTCを購入して保有し、ビットコイン価格が30万ドルに上昇した場合、その24万ドルがそのまま収益となります。さらに、ビットコインの価格がゼロにならない限り、手元には何らかの価値が残り続けるという安心感もあります。
一方、ビットコインの採掘には異なる収益の流れがあります。まず、採掘マシンの購入費用という初期コストが発生し、その後も継続的に電気代がかかります。これにより、最初は収益がマイナスですが、時間とともに採掘したビットコインが積み上がり、収益が徐々にプラスに転じます。
採掘したビットコインを売却せずに貯めておけば、価格が上昇した際に一気に大きな利益が拡大します。しかし、ビットコインの価格が上昇せずにハッシュレートや採掘難易度が上がり続けると、見かけ上の利益が減少します。
この違いを見てもらうために、保有した場合と、採掘した場合の収益を重ね合わせてみました。
このように、保有と採掘を同じグラフに重ね合わせ、価格変動に応じて収益の違いを動画で比較すると、価格上昇時に採掘の方が利益が大きくなることが見て取れます。
このグラフではビットコインが30万ドルまで上昇するという想定でグラフを動かしています。もし採掘困難度が上昇したのに、ビットコイン価格が上がらなければ、、、、例えば6万ドル台でずっと推移していたら、採掘するビットコインの価格は、支払っている電気代を下回り、同じお金をかけるのであれば、ビットコインを買う方が良い、ということになります。
この数日、ビットコインの価格が上昇していますが、この1年のハッシュレート及び採掘難易度の上昇、半減期により採掘量が半分になったこと、その割に価格は上昇しなかった状況下では、ビットコイン採掘は忍耐あるのみ、という状況でした。足元で電気代が毎月かかってくるなか、ビットコイン価格の上昇がなければ、採掘人は辛い状況に置かれるのもまた事実です。
要はビットコインの採掘人は、将来的にビットコインの価格が大きく上昇するだろう、という強い信念を持っているからこそ、実際にビットコイン価格が上昇した時に、単にビットコインを保有している人よりも高い収益を享受できるのです。そうすることで同じコストをかけても、採掘の方が多くのビットコインを獲得し、将来的により大きな利益を享受できるのです。
ビットコイン採掘者の哲学:長期的なビジョンと信念
ビットコインを保有する人々は、将来価格が上がることを期待していますが、採掘者たちの信念はそれ以上に強いものです。ビットコイン採掘には初期投資が必要であり、始めると途中で止めるのが難しいため、価格が上がることを「信じている」だけではなく、「ビットコインの未来に投資」していると言えます。これは単なる利益追求ではなく、採掘を続けることでビットコインのエコシステムそのものに貢献し、その成長を支えているわけです。
また、採掘したビットコインをすぐに売却し、電気代の支払に充てる行為は、将来の利益を逃すことになります。例えば、ビットコインの価格が上がれば緑色の線が赤色の線を大きく超え、利益も増えます。したがって「今のコストをカバーするために売却する」のは、未来の果実を目の前で捨てているのと同じことです。この点で、採掘者は将来の可能性を信じ、採掘したビットコインをホールドし続けることが最も理にかなっています。
ビットコインのエコシステムに積極的関与するビットコイン採掘
採掘に必要な「強い信念」と「未来志向」~今こそ始めるチャンス?
ビットコインの採掘は、「強い信念」と「未来志向」が不可欠です。そして現在のようにハッシュレートが高く、採掘難易度が上昇し、収益性が一見低い時期こそ、安価なマシンを購入し採掘を始める好機と考えることができます。こうした時期にこそ、ビットコインの可能性を信じる採掘者は、「今は未来への準備期間」として捉え、価格の上昇とともに収益を最大化することができるのです。
結論:どちらの未来を選ぶか?
ビットコインを「保有する」のか、「採掘する」のか──それぞれには異なる哲学があり、未来に対する考え方が反映されています。もし市場の動きを静観する保有のスタイルを選ぶなら、単に価格の上昇を期待する投資が最適かもしれません。しかし、ビットコインの未来そのものに投資し、主体的にエコシステムを支えたいと思うなら、採掘を通じてこの成長に直接参加する道を選ぶことができます。私たち來來 Rai Laiはこの「主体的にビットコインのエコシステムを支える」という誇りをもってビットコイン採掘に取り組んでいます。