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採掘マシンの選び方・買い方

ビットコインの採掘マシンはいろいろなメーカーがいろいろな種類の採掘マシンを発売していますが、どのように選ぶのがよいでしょうか?


ビットコインの採掘マシンを選ぶ際には多くの要素を考慮する必要がありますが、一番大事なのは、(a) 採掘マシン一台あたりの電力消費と、(b) ハッシュレート(1秒あたりの計算能力)です。

(a) 電力消費

最近の採掘マシンの大半は一台あたりの電力消費が3,000ワット前後ですが、機器によっては4,000ワットになることもあります。

髪を乾かすドライヤーの強力なものが1,200ワットの消費電力なので、ドライヤーを2台半、24時間つけっぱなしにするのが採掘マシンの電気の消費量がイメージできると思います。

(b) ハッシュレート

ハッシュレートとは1秒あたりの計算回数を指します。最新のマシンは100TH/秒(毎秒100兆回)を超えるものが多く、特に高性能なもの(例えば140TH/秒の機種など)は価格が高くなる傾向があります。そのため、コストパフォーマンスを考慮することが重要です。

(a)電力消費と(b)ハッシュレートの関係をいくつかの具体的な採掘マシンで見てみましょう。
 
下の表に、私たちが過去に取り扱ったことがある機種、現在発売されている機種の発売年月と性能を並べてみました。

採掘マシン
(メーカー)

当初発売年月

ハッシュレート

電力消費

電力消費
÷
ハッシュレート

Antmoner S9
(Bitmain)

2016年5月

14TH/秒

1,350ワット

96.4

Whatsminer M30S
(MicroBT)

2020年4月

86TH/秒

3,268ワット

38.0

Antminer S19 Pro
(Bitmain)

2021年5月

110TH/秒

3,050ワット

27.7

Whatsminer M50

(MicroBT)

2022年4月

114TH/秒

3,306ワット

29.0

Antminer S19 XP
(Bitmain)

2021年11月

140TH/秒

3,010ワット

21.5

Antminer S19 Pro Hydro 
(Bitmain)

2022年1月

198TH/秒

5,450ワット

27.5

この表を見ていただくと、最近発売された機種の多くは、採掘マシン1台あたりの消費電力は3,000ワットを少し上回るような電力消費で、ハッシュレートが100TH/秒を超えていることが分かります。
 
採掘マシンの性能を測る一つの指標として「電力消費÷ハッシュレート」という指標がありますが、この数字が低ければ低いほど、採掘マシンの性能が良いと言えます。一方、この指標が高ければ高いほど、採掘マシンの値段が高くなります。値段が高くなりすぎると初期コストが高くなって、回収までの時間が長くなることがあり、性能の良い採掘マシンを買えばよいと言うことでは必ずしもないことに注意しましょう。人気の最新マシンは、よく値段が法外に高いことが多いので、特に注意が必要です。
 
2016年に発売され、大ヒットしたAntminer S9は最新の採掘マシンと比べたら、1/3~1/4くらいの性能しかないことが分かります。
 
さて、ここで私たちは、これまでビットコインマイニングをやってきた経験から、この採掘マシンの性能以外に、採掘マシンを選ぶとき、買うときに考えた方が良いポイントを紹介します。

(c) マシンの想定寿命

採掘マシンの寿命には「経済的寿命」と「物理的寿命」の2つがあります。
 
(i) 経済的寿命: ビットコインの採掘困難度が上昇すると、採掘マシン1台が得られる報酬としてのビットコインの量が減少します。したがって、電気代の高い地域で採掘マシンを運用していると、電気代に見合ったビットコインが得られない可能性があります。
 
一方で、電気代の安い地域では採掘マシンの経済的寿命は長くなる可能性があります。数年前、ロシアの片田舎で家庭用電力料金で運用されている何台かの古いマシンを見つけた時、その事実に感動すら覚えました。調べてみたところ、ロシアの片田舎では、3世代くらい昔の採掘マシンの中古の採掘マシンの売買が活発であることが分かりました。私たちも、世代の古いマシンはそういう中古市場で売却したりしています。
私たちが採掘マシンを管理・運営している場所は、電気代が世界でも最安値になる国・地域で行っているので、寿命を長く持たせることができますし、中古の採掘マシン販売市場ので、最終的に古い採掘マシンを売却することが可能です。
 
(ii) 物理的寿命: 物理的寿命とは、採掘マシンが物理的に壊れてしまい、動かなくなることを指します。採掘マシンの置き場所が暑いと、寿命が短くなる可能性があります。また、採掘マシンの修理が可能なエンジニアの存在も重要です。修理可能なエンジニアがいない場合、修理が必要な故障が発生しても採掘マシンを再稼働させることができず、結果的にマシンは早期に寿命を迎える可能性があります。

    私たちは特にこの物理的需要や故障の少なさもかなり重視して採掘マシンの選定・推薦を行っています。

     

    (d) マシンメーカーのマーケットシェア

    採掘マシンのメーカーのマーケットシェアも重要な要素です。マーケットシェアの小さいメーカーの採掘マシンを購入すると、そのメーカーの採掘マシンの修理を行えるエンジニアがいない、またはスペアパーツが調達できないといった問題が生じる可能性があります。

    また、マーケットシェアが少ないメーカーの採掘マシンは、中古での販売の可能性も小さくなります。経済的な寿命が来てしまった世代の古いマシンでも、ファン等、一部の部品は最近の採掘マシンの修理に使えたりしますが、マーケットシェアが小さいメーカーの採掘マシンはそもそも台数が少ないので、修理用のスペアパーツとしての価値もなかなかつかないというようなことがあります。ですので、今はやはり最大手のBitmain、業界2位のMicroBTの採掘マシンに投資をすれば間違いが無いと言えます。

     

    (e) 採掘マシンの形状・大きさ

    採掘マシンの形状と大きさは、意外にも見落とされがちなポイントになります。「(7) 採掘マシンはどこに置いて動かすのが最適か?」でも説明をするように大規模なマイニング・ファームにて採掘マシンを管理・運用をする場合には、標準的な棚のスペースが用意されているため、形が違うマイニングマシンが出てきたときは要注意です。

    例として大ヒットしたAntminer S9と最新世代のAntminer S19の形状を見てみましょう。S19の方はファンが2つあるため、より多くのスペースを必要とします。S9は大ヒット機種だったので、大規模マイニングファームはS9用に棚を設計してたとっころが多かったのですが、その後、2つのファンがついている機種が入ってくると、物理的な棚が不足するというような事態が発生したケースが多発しました。

    Antminer S9: 冷却用のファンは1つ
    Antminer S19: 冷却用のファンは2つ

    (f) 詐欺から自身を守る

    採掘マシンの販売詐欺が増えているため、購入時には注意が必要です。信頼できる販売者から購入することが重要であり、適切な調査を行うことで詐欺から自身を守ることができます。

    例えば、私たち自身も、在庫を大量に保有していると主張する業者から採掘マシンを購入する機会がありました。しかし、その業者の会社情報を調べたところ、役員の住所が遠くの国にあり、不審な点が多かったため、取引を見送ることにしました。(詐欺からどのように身を守るかについては別途ブログにて説明していきますので、請うご期待を!)

    他にも、お金を払って、採掘マシンを購入したが、いろいろ理由をつけられて、まったく動かしてもらえなかった、という被害もよく耳にします。私たちは購入していただいた機械のシリアル番号もお客様にお伝えし、1台1台丁寧に管理をしておりますので、安心して投資をしてください!

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