「来来Rai Lai」という私たちの名前は、ヤップ島の石貨のライ(Rai)の仕組みがビットコインの仕組みと似ていることに由来します。
石貨ライは持ち運びが難しいくらい重いため、島のあちこちにおいてあります。中には、海の底にあり、実際はあるかもわからないライもありました。ライを使って取引される度に、「どのライの持ち主が誰に代わったのか」ということが、ヤップ島内の人々に知らされるので、みんなが、「どのライが誰のものか」について、知っていました。みんながそれぞれのライの持ち主を知っているので、村の人の一人が、他人のライを「このライは私のもの」と言って、勝手に使うことはできませんでした。
ビットコインのブロックチェーンでは、どのウォレット(財布)にいくらのビットコインが保存されているかがインターネット上で公表されているので、「みんなが、誰がどの金額のビットコインを持っているのかを知っている」と言え、石貨ライと似ています。
また、ライを作るのはとても大変でした。ライの材料となる石はヤップ島では採れず、450kmも離れたパラオ諸島から、持ち込む必要がありました。ヤップ島の人は、カヌーの船団を組んでパラオにまで行き、何か月もかけて石貨を切り出し、いかだで持ち帰りました。現代とは違い、カヌーでの航海は危険で亡くなる人もいたでしょう。それぞれのライには、多くの労苦が費やされたり、危険を冒してもちこまれた「伝説」が人々に記憶されていて、その「伝説」がライの価値を決めていたそうです。ライを作り出すのが、それだけ大変だからこそ、ライは価値があったとも言えます。
私たちが採掘マシンに投資をして、日本以外の場所(今のビットコイン価格とハッシュレートでは、日本でビットコインのマイニングをすると大きな赤字になってしまいます。)に採掘マシンを設置し、採掘マシンを電気で動かして、大量の計算をさせることで、やっとビットコインが採掘できるのと似ています。
ビットコインのマイニング(採掘)をすれば、ビットコインというお金がもらえる、ということが、石を採掘してライを作りヤップ島に持ち込むことに似ています。さらに、「来」(ライ)は、「ライ」と発音が同じなので、「来来 Rai Lai」という名前が生まれました。採掘をすることで、お金(Rai)が手元に来(Lai)ることを体験するサービスが来来Rai Laiです。
このように、ライはビットコインと似ているところがありますが、私たちがライ(Rai)にこだわる理由はそれだけではありません。
もともとヤップ島の社会は、今私たちが使っているような「お金」で回る社会ではなく、人々がお互いに支えあって行く典型的な「共生社会」だったとも言われています。「そういう社会では、そういう社会では、人と人の結びつきが何より大切で、その結びつきを作るひとつのツールが石貨」であったとのことです。今でも、ライは冠婚葬祭の時の贈答品のようなものとして使われたりするそうです。
私たちは、ライが「人と人の結びつきを作るツール」であったように、ビットコインが異なる国の人々を結びつけるツールとなると信じ、來來Rai Laiを立ち上げました。