ビットコインは、そもそもの仕組み自体が革新的であり、私たちが普段使うお金についての考え方を根本的にくつがえします。すごい点はいろいろありますが、私たちが考えるビットコインのすごいところをまとめてみました。
1. インターネットにつながっていれば誰でもどこでも取引できるお金:
「ビットコインって何?」でも最初に説明したように、インターネットに接続されたスマートフォンやパソコンさえあれば、ビットコインを通じて誰でも取引を行うことができるのがすごいです。
お札やコインがあれば、誰でも取引できますが、1万円札を地球の裏側のブラジルの人に郵送するには何日もかかりますし、受け取った人は1万円札はブラジルでは使えないので、両替所でブラジルのお金に換えて始めて使うことが出来ます。当然、ブラジルで日本円を欲しがる人はあまりいないので、両替をするときにたっぷり手数料を取られます。
日本は98%の人が銀行口座を持っており、この割合は世界でもトップクラスとなっています。ところが、世界銀行のGlobal Findexというデータベースによれば、世界では10数億人も、銀行口座を持っていない人がいると言われています。
例えば、人口2.7億人のインドネシアでも半数以上の1.3億人(日本の人口と同じ!)以上の人が銀行口座を持っていません。
資料出所:世界銀行 Global Findex
銀行口座を持っていない、というのは、インドネシアのような発展途上国では、銀行口座を持つ必要性を感じてない場合もあれば、銀行自体が周りになく、銀行口座を開けないという場合もあるかもしれません。
さらに、クレジットカードの保有割合を見てみると、世界でも4人に一人しかクレジットカードを持っていないことが分かります。日本の銀行口座は、海外では使えません。通常、海外旅行をする時は、クレジットカードが無いととても不便です。世界の3/4の人がクレジットカードが無く不便な生活を強いられているのです。
飛行機で安価に自由に世界を飛び回れるようなったのにも関わらず、何かおかしいと思いませんか?
お金だけ、人も情報も国を簡単に越えるようになったのに、お金だけ国を越えてやり取りするのがとても難しいのです。
日本にいる人が、ブラジルにいる人に送金する場合には、相手がブラジルで銀行口座を持っているかどうか、確認しない限り送金できません。
ではビットコインではどうでしょうか?ビットコインなら、誰でもスマートフォンさえあれば、ウォレット(財布)をすぐに作って直接お金のやり取りができます。
皆が銀行口座を持っている日本はどうでしょうか?同じ世界銀行のGlobal Findexというデータベースによれば、98%の人が銀行口座を持っていることになっています。言い換えれば、2%の人が銀行口座を持っていないということです。2%というと少なく感じますが、人口1.25億人の2%となると、250万人くらいの人が銀行口座を持っていないということになります。無視できない人数です。
この中には、
①高齢者、
②障碍者、
③外国人、
④元暴力団員(!)、
⑤遠隔地に住む人
が多いとされています。(資料出所:KPMG「我が国における金融包摂の課題と対応状況」)
①の高齢者は、わざわざ銀行のお店に行けない、という人もいるかもしれません。また、人口が減っていく日本は今後、外国人の労働者や移民を受け入れる方向にありますが、③外国人が日本の銀行で銀行口座を開くのは至難の業です。
ビットコインであれば、高齢者も銀行の店舗に行く必要がなく、どこでも自分のスマートフォンやパソコンにを作ることができ、いつでも取引ができます。ビットコインは国籍関係なく、日本人でも外国人でも誰でもを作ることが出来ます。
⑤の遠隔地に住む人についても、同じです。日本には多数の離島があります。公益財団法人日本離島センターによれば、「令和2年国勢調査による日本の有人島数を416島(※内水面離島である沖島〈滋賀県〉を含む)、無人島を13,705島」あるそうです。こういった離島の多くでは銀行やコンビニが無いので、郵便局が巡回で現金を持ってきたりするとのことです。こういう島でもインターネットにつながっていれば、ビットコインでお金のやりとりが出来るようになると考えると、わくわくします。離島で取れるおいしい海の幸を、日本の外にいる外国人が直接買い付け、みたいなことも夢ではありません。
私たちは「お金」は生活に最低限必要なものなので、全員がちゃんと使えるべきであると思っています。インターネットが普及した今、まともなインターネットでのサービスを提供していない銀行が多い中、ビットコインは誰でもどこでもウォレット(財布)をインターネット上に作って使える素晴らしいお金だと思います。
2. 地球の裏側の人とも取引が出来るお金:
ビットコインを使えば、日本に住むあなたが、ブラジルに住んでいる人にビットコインを送ることが可能です。
普通の銀行を通じた取引では、まず相手がブラジルに銀行口座を持っているかを確認したうえで、両替や送金手数料を確認して送金をします。日本の銀行は「ブラジルにお金を送る」と言ったら、まず最初に「取引の目的を教えてください。」「契約書を出してください。」と要求してくるでしょうし、送金すらさせえもらえない可能性が高いでしょう。
ビットコインではそのような問題がなく、ブラジルの人と取引がすぐに可能です。例えば↓のような取引が考えられます。
①デジタル商品の取引: ブラジルの奥地の人が日本に住む人に、デジタルアート、電子書籍、音楽などのデジタル商品を販売することができます。ビットコインを通じて支払いを受け、デジタル商品、電子メール、クラウドサービスやブロックチェーンを通じて配信するということもできるようになります。
②モノの販売: ブラジルの奥地の人が、日本の離島に住む人に向けてコーヒー豆や他の地元の商品を販売する。ビットコインを通じて支払いを受け、物品を国際郵便または輸送業者を通じて配送する。
③サービスの提供: 日本の離島に住む人が、イギリスの片田舎にいる英語の先生と、遠隔で英語を学ぶことができる。ビットコインを通じて支払いを直接することが出来ます。
④寄付や資金調達: 日本の離島やブラジルの奥地のコミュニティが、イベントの開催資金を調達するためにビットコインを使用する。世界中の人々がビットコインを通じて寄付を行うことができ、地元のイベントをサポートする。
3. 24時間取引ができるお金:
ビットコインの取引は休みなしで24時間行うことができます。たとえば、深夜に急に海外の友人からお金を送る必要が出てきても、銀行が閉まっていて送金できないという状況は避けられます。
4. 素早く、安く、少額でも海外送金できるお金:
たとえば、海外に住む学生の子供に生活費を送りたい親にとって、ビットコインは大変便利です。従来の銀行を通じた海外送金は、手数料が高く、送金に時間がかかるので、仕送りをまとめて送金するのが普通ですが、親としては子供が無駄遣いしないように、少額のお金をこまめに送りたい、という気持ちもあります。
ビットコインを使えば、何か月分の生活費をまとめて送るのではなく、数週間分の仕送りをこまめに送る、ということが出来るようになります。遠い場所にいても、お小遣いを渡す感覚でお金をやり取りできるのです。
海外の人に仕事を頼んで、報酬を払う場合を考えてみてください。今は少額の送金にはクレジットカードを使うことが多いですが、クレジットカードを持っていない人も世の中にはいっぱいいます。
クレジットカードは、支払いをするときにクレジットカード会社がいろいろな手数料をとってしまいます。仕事を頼まれて、報酬をもらう人は、クレジットカードでの支払いを受けられるサービスを利用する必要があり、そのサービスへの支払いも発生します。
仮にクレジットカードでの支払いが成功しても、クレジットカードで払ってもらった報酬がお金に替えてもらえるのはタイムラグがあったりもします。ビットコインなら、普通にお金としてやりとりできるので、多額の手数料を取られたりはしません。
5. 誰からも文句が言われたり手数料が引かれないお金:
今、皆さんは自分の持っているお金の大部分を、お札やコインで金庫に入れて保管している人は多くないと思います。普通は銀行にお金を預けていると思います。でも、銀行にお金を入れていたら、ATMでお金をおろすときとか、送金をする時など、何かと手数料が引かれることが多いです。
少し大きめのお金を送金をしようと思ったら、「おれおれ詐欺」を疑われて、いろいろ質問されたりした、みたいな話も多いです。人によっては「自分のお金を別の人に送るのに、なんでこんなにいちいち文句を言われなければならないのか」というようなグチをよく聞くようになりました。
さらに!「休眠預金等活用法」という法律があるのを知っていますか?2018年に成立した法律で、「休眠預金等活用法に基づき、2009年1月1日以降のお取引から10年以上、その後のお取引のない預金等(休眠預金等)は、民間公益活動に活用されます。」(金融庁ウェブサイト)10年間入金も出金もしていない銀行口座の貯金を民間公益活動に活用する、ということですが、引き続き銀行に言えば引き出しはできるようです。それでも一旦休眠口座になってしまうと引き出しはとても面倒のようです。
銀行に貯金しているお金が本当に「自分のお金」「自分が自由に使えるお金」ではなくなってきています。
ビットコインの一番の特徴は、誰にも頼らないで使えるお金ということです。ビットコインは、誰かが管理しているお金ではなく、お財布の中のお金と同じく、自分で全て管理をするお金です。取引や送金も、自分だけで完結する仕組みになっています。ウォレットに保管していても、シードフレーズ(ウォレットのカギみたいなもの)を無くさなければ、いつでも取り出しが可能です。また、銀行のように、ウォレットにビットコインを入れているだけで手数料を取られることはありません。
6. 法律や政府の政策の影響を受けないお金:
ビットコインは、法律や政府や中央銀行の政策の直接的な影響を一切受けない自由なお金です。
例えば、米ドルは、12人のメンバーからなる連邦公開市場委員会(FOMC)によって金利などの政策を決めます。同様に、日本銀行も、国会の同意を経て内閣が任命した9人のメンバーからなる政策委員会で金利等の政策を決めます。
米ドルも日本円も、少数の人が金利などの政策を決めて、お金の発行量を増やしたり減らしたりしているのです。
実際に米ドルの金利は2022年くらいまで低く抑えられ、日本銀行は相変わらず金利を低くしたままです。結果としてアメリカではインフレーション(モノの値段が上がること)が発生し、日本も2023年にはモノの値段が上がってきました。世の中に米ドルや日本円があふれかえって、お金の価値が下がっているから、モノの値段が上がっている、と言うことができます。
ビットコインは中央に決定権を持つ人々がいない分散型の意思決定体制を持っているため、政府の意向や少数の人々の意見に左右されません。
7. ブロックチェーンを使っているので安全なお金:
ビットコインは「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を使用して取引を記録します。これは全ての取引を保存するブロックがチェーン(鎖)のようにつながったデータベースで、改ざんが難しく、安全です。なぜ安全なのか、というのは私たちがやっているビットコインの採掘(マイニング)が関係していますので、詳しくは「ブロックチェーンって何?」と「ビットコインの採掘(マイニング)って何?」を見てみてください。
こうしてみると、ビットコインは、普段当たり前に使っている日本円や米ドルと全然違うお金であるということが分かります。ビットコインは一言でいえば、「インターネットの中で流通するお金」そのものと言え、今皆さんが使っている日本円や米ドルよりも「すごい」お金なのです。